ブラジルのプレミオ(報奨金)制度:給与に含まれないための要件とは?

ブラジルでは、従業員の優れた成果を評価するために「プレミオ(Prêmio:報奨金・表彰金)」制度を導入している企業があります。

一方で、プレミオを支給する際には、**「給与として扱われるのか」「社会保険料や労働関連の負担金の対象になるのか」**という点に注意する必要があります。

ブラジルでは、労働法改正によって従業員に支給するプレミオの取扱いが見直されました。

法律で定められた一定の要件を満たす場合、プレミオは給与には含まれず、社会保険料などの労働・社会保険関連の負担金の計算対象にもなりません。

ただし、すべての支給が自動的にプレミオとして認められるわけではありません。

プレミオとは?

ブラジルの法律では、プレミオとは、会社が自主的な判断で、従業員または従業員グループに対し、現金、商品またはサービスの形で、通常期待される水準を上回る成果や実績を評価して支給する報奨とされています。

そのため、特に次の2点が重要になります。

1.会社の自主的な判断による支給であること

プレミオは、会社の自主的な判断によって支給されることが重要です。

そのため、法律、雇用契約、労働協約などによって支給が義務付けられている場合には、その支給の性質について慎重に検討する必要があります。

2.通常期待される水準を上回る成果であること

現在の税務当局の考え方では、「通常期待される業務を上回る成果」であることが特に重視されています。

したがって、状況によっては、通常の業務を行っただけ、または通常設定されている目標を達成しただけでは、プレミオとして認められない可能性があります。

社内でプレミオの支給基準を定めてもよいのか?

会社がプレミオについて社内規程や客観的な支給基準を定めること自体は、必ずしも問題ではありません。

社内にプレミオ制度や支給基準が存在することだけを理由として、プレミオとして認められなくなるわけではありません。

ただし、その基準が雇用契約や労働協約などに基づく義務となり、会社の自主的な判断による支給ではなくなっている場合には注意が必要です。

つまり、客観的な支給基準を設けることと、会社に支給義務が生じることは、別の問題として考える必要があります。

「通常期待される成果」を明確にする

実務上重要となるのが、会社が「通常期待される成果」と「それを上回る成果」を客観的に説明できるかという点です。

例えば、業務改善を行うこと自体が職務として期待されている従業員を考えてみましょう。

その従業員が業務改善を実施したとしても、それ自体が本来の職務の範囲に含まれている可能性があります。

そのため、改善を実施したという事実だけで、その支給がプレミオとして認められるとは限りません。

実際にどのような成果を上げたのか、会社がどのような評価基準を設けていたのか、従業員の通常の職務内容は何だったのかなど、個別の事情を踏まえて判断する必要があります。

実務上確認しておきたいポイント

プレミオの性質を検討する際には、例えば次のような点が考慮されることがあります。

  • 毎月のように非常に頻繁に支給されていないか
  • 自動的に支給される仕組みになっていないか
  • 日常的・定型的な業務を行ったことだけを理由として支給されていないか
  • 通常以上の成果を客観的に説明できる基準があるか

ただし、これらの要素だけで一律に判断されるものではありません。

それぞれのプレミオ制度の内容や実際の運用状況など、個別の事情を踏まえて検討することが重要です。

社内規程と証拠資料の見直しも重要

プレミオ制度を導入している企業では、制度の内容だけではなく、その運用や関連資料についても定期的に確認することが重要です。

特に、次のような点を確認しておくことが考えられます。

  • 会社が自主的に支給を決定しているか
  • 契約や法律などによる支給義務がないか
  • 通常以上の成果を客観的に説明できるか
  • それらを裏付ける資料や記録が適切に保管されているか

必要となる資料は、各社のプレミオ制度や実際の運用方法によって異なります。

まとめ

ブラジルでは、労働法改正によって、一定の要件を満たすプレミオは給与に含まれず、社会保険料などの労働・社会保険関連の負担金の計算対象にもならない取扱いとなっています。

しかし、単に「プレミオ」という名称で支給すればよいというものではありません。

法律で定められた要件に加えて、会社の自主的な判断による支給であるか、通常期待される水準を上回る成果に対するものであるか、そしてそれらを客観的に説明できる資料があるかなど、実際の制度設計と運用が重要になります。

プレミオ制度を導入している企業は、自社の制度が現在の要件に沿って運用されているか、定期的に確認することをお勧めします。

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