子どもの誕生は、人生で最も大切な瞬間のひとつです。だからこそ、その特別な時間をしっかり過ごすための制度が必要です。実は、産休・育休を大幅に延長できる仕組みがあることをご存じでしょうか？この制度は、家族を持つ従業員にとっても、また企業にとっても、とてもメリットのある取り組みなんです。
それが、「企業シチズンプログラム（Empresa Cidadã）」です。
企業シチズンプログラムとは？
企業シチズンプログラムは、プログラムに参加する企業限定の法律で定められたベネフィットです。この制度に参加することで、産休は通常の120日から180日へ、父親の育休は5日から最大20日まで延長することが可能になります。この延長制度は、養子縁組の場合にも適用されます。
参加しない場合は？ 企業がこのプログラムに参加していない場合、休業日数は、ブラジル労働法（CLT）の標準規定に従い、母親は120日、父親は5日となり、延長することはできません。
企業にとってのメリット
企業シチズンプログラムへの参加は、単なる社会貢献活動ではなく、企業にとって賢明な戦略でもあります。
- 社会的責任を果たしている企業としてのブランドイメージを高めます。
- 人材の定着率が上がり、離職の防止にもつながります。 職場環境の改善にも効果的です。
- 重要な税制優遇があります。参加企業は、延長期間中に支払った給与を法人税から控除することができます。結果的に、企業の実質的なコストを抑えることができるのです。
課税制度ごとのメリット：
得られる税制上のメリットは、企業の課税制度によって異なります。
- 実質利益（Lucro Real）: 延長期間に支払った給与を、法人税（IRPJ）から全額控除可能。税負担を大幅に軽減できます。
- 推定利益（Lucro Presumido）: 税控除はありませんが、制度への参加が企業イメージの向上や優秀な人材の獲得につながります。
- シンプレス・ナショナル（Simples Nacional）: こちらも控除はありませんが、従業員のエンゲージメントが高まり、他社との差別化に役立ちます。
プログラム参加と申請方法
企業シチズンプログラムへの参加は非常にシンプルです。
- 企業は、連邦税務庁（Receita Federal）のウェブサイトから登録できます。
- 女性従業員の場合は、出産後1か月以内に申請することで延長が保証されます。
- 男性従業員の場合は、出産後2営業日以内に申請し、父親向けの教育プログラムや講習の受講証明が必要となります。
企業シチズンプログラムは、家族との大切な時間を確保できるだけでなく、企業にとっても多くのメリットがあります。この制度について、ぜひ一度詳しくご確認ください。