Business in Brazil

14. ブラジルの税金と課税方式

ブラジルでの会社設立が完了したのち、進出企業は現地において支払いが義務付けられている主な税金と課税方式を理解することが重要となってきます。  今回のニュースレターでは、これらの主な税金の種類と課税方式について簡単に説明していきます。これらを認識することにより、企業の税務戦略を最適化し、債務不履行のリスクを軽減することが出来ます。 納税が義務付けられているものには次の7つの税金があげられます。 Imposto de Renda Pessoa Jurídica (IRPJ)(法人所得税):   会社利益に対し15%~25%課税され、課税率は会社の規模と収益によって異なります。 Contribuição Social sobre o Lucro Líquido (CSLL)(法人利益対象の社会負担金):   純利益に対し9%の課税が義務づけられています。 Imposto sobre Circulação de Mercadorias e Serviços (ICMS)(商品流通サービス税):   商品の流通およびサービスを対象にした州税であり、課税率は商品の種類と会社拠点地によって異なります。 Imposto sobre Produtos Industrializados (IPI)(工業製品税):   工業製品の輸入および製造に対して課税される連邦税。課税率は製品の種類によって異なり、また、製品の必需性が高いほど税率が低く、必需性が低ければ税率は高くなります。例えば、タバコの税率は中でも最も高いものとなっております。 Programa de Integração Social (PIS)(社会統合計画分担金):Contribuição para o [...]
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13. 最終出国申請について

ブラジルを出国された方、ブラジルの連邦国税庁(Receita Federal)への申告が必要となりますことをご注意くださいませ。 ブラジル居住者で永久的、または半永久的にブラジルを出国した場合、最終出国申請(Comunicação de Saída Definitiva)を行う必要があります。 最終出国申請はその方がブラジルの納税者ではなくなったことを通知するための申告。つまり、ブラジルでの所得税の納税義務がなくなります。 ブラジルでは、ブラジル居住者であれば全ての収益(国内外問わず)に対して所得税の納税義務がありますので、この申請はとても重要です。 ブラジル国税庁に申告をしなかった場合、出国して国外に居住していても、引き続きブラジルで税金を納める義務があります。 この規定は外国人・ネイティブブラジル人関係なく、すべてのブラジル居住者が対象となります。 主なご質問 1.最終出国申請の提出期限はいつですか? ⇒ 出国した日付から始まり、翌年2月最終営業日までに申告が必要です。 2.一緒に出国した扶養家族分の申告も必要ですか? ⇒ はい、扶養家族の申告も必要です。 3.その他、必要となる手続き・義務はありますか? ⇒ ① 前年度の確定申告がペンディングの場合、その提出。   ② 最後の確定申告の提出   ③ 追加徴収額があった場合、その支払い。
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12.2023年度INSS社会保障表変更

毎年、給与の支給から引かれるINSS社会保障表は政府に従って調整されています。 調整は毎年1月に行われます。 2023年に、INSS社会保障表は2023年1月11日に公開されました。 2023年度の新しい表は下記の通りになっております。 徴収されるINSS社会保障の上限金額は R$ 877.24です。 主なご質問 1.調整後、給与はどうなりますか? ⇒大まかに言えば、賃金が低い場合,政府に支払うINSSは少なくなると言えます。 変更の例: 2022年に 給与R$ 3,000.00 社会保障(INSS)はR$ 269.00を徴収 2023年に 給与R$ 3,000.00 社会保障(INSS)はR$ 263.33を徴収 2.また、賃金が高い場合はどうなりますか? ⇒月額がR$ 7.000,00を超える高額の給与の場合、支払うINSS金額がより多くなります。 2022年にR$ 828.38を支払っていた場合、2023年にはR$ 877.24を支払うことになります。 変更の例: 2022年に 給与R$ 15,000.00 社会保障(INSS)はR$ 828.38を徴収 2023年に 給与R$ 15,000.00 社会保障(INSS)はR$ 877.24を徴収 3.そして、所得税表はどうなりますか? ⇒所得税の表は変更ございません。2015年以降調整されていません。
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11.2023年版の祝祭日/その他情報

下記、2023年版の祝祭日カレンダーと祝日に関する主なご質問・回答を共有いたします。ご参考くださいませ。 ※サンパウロ州・サンパウロ市をベースとしています。 主なご質問 1.パンデミック対策の一環として、2022年へ前倒しとなった2023年の祝日はあるのか? ⇒いいえ、ございません。 2.祝日が土日の場合、振替休日は発生するのか? ⇒いいえ、発生しません。 3.会社の判断で祝日を前倒ししてもよいのか? ⇒はい、労働協約または組合の承認があれば、可能。 ただ、実際の祝日と同一週内でなければなりません。 .祝日を" つなげる"  ことは可能か?また、どういったルールがあるのか? ⇒祝日をつなげるとは、土日と祝日をつなげ、連休とすることです。 例えば、火曜日が祝日の場合、月曜日も休日とし、土日月火の4連休となります。 一年間のつなぎ休日を計算し、その分を通常の就業日にプラスして時間を相殺する企業もあれば、相殺を要求しない企業もあり、各企業の判断となります。
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10.給与手取り額と会社のコストについて

◆ 一般従業員と役員報酬の給与手取り額をどのように計算すればよいのか? ◆ 一般従業員・役員報酬それぞれの月額給与に対する会社のコストはいくらなのか? ◆ 義務付けられている源泉徴収税は同じなのか? このようなご質問をよくいただきますが、理解をサポートするために作成しました下記表を共有いたします。 ① 一般従業員 (CLT) と役員報酬 (Pró-labore) の給与手取り額をどのように計算すればよいのか? ⇒月/給与グロス額 R$ 5.000,00 の場合: 【一般従業員 CLT】 (+) 給与グロス額  5.000,00 (-) INSS*  99,25 (-) IRRF  478,35 (=) 給与手取り額  4.422,41 【役員報酬 Pró-labore】 (+) 給与グロス額  5.000,00 (-) INSS*  550,00 (-) IRRF  365,12 (=) 給与手取り額  4.084,88 * 日伯社会保障協定をお持ちの駐在員の場合、この金額はゼロとなります。 ② 一般従業員・役員報酬それぞれの月額給与に対する会社のコストはいくらなのか? [...]
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09.労働契約の種類について

前回のニュースレターでは外国人の労働者を雇用する場合の注意点を挙げました。 今回のテーマは労働契約の種類ですが、その中でも 一般的に使用されている6種類のついて説明します。 1. 有期労働契約 雇用関係の始まりと終わりがあらかじめ定めてる契約。この種の契約は業務の臨時性(工事・収穫期労働など)または企業の事業が一時的なもの(工業・季節活動など)であるときに用いられます。 契約は1回に限り延長できるが、2年を越してはならない。 契約終了時に解雇予告通知を出す必要がなく、労働者は失業保険を受取る権利がない。また勤続年金積立(FGTS)に対する40%の罰金の支払いが不要。 2. 無期限労働契約 期限が設定されない雇用契約。通常最高90日間の試採用期間が設けられ、超えた場合自動的に無期限契約に切り替わります。 この契約で労働者には労働者の全ての権利が保障される。労働者が正当な理由なく 解雇された場合、予告期間に給料、失業保険、勤続年金積立(FGTS)の40 %の罰金が支払われる。 3. 派遣労働契約 臨時的な従業員の欠員など、一時的な需要をカバーする場合にしか利用できない雇用形態。 期間は9ヶ月を超えてはならない。 雇用契約が終了した時点、労働者は無期限雇用契約と同様の権利が保障される。 4. 断続的雇用契約 この種の雇用契約は断続的に生じる業務に労働を提供するもの。一例として、イベントで働く場合で、開催の期間に限り労働する場合である。 その期間は、週、日、時間単位で決める事が出来、報酬には有給週休、休暇手当、第13ヶ月給料、その他法が定める補足手当が全て含まれる。 この方式を採用する場合、労働者は一社に限らず複数の企業に労働を提供する事ができる。 5. 自営業者契約 自立して自己の事業リスクを負いつつ、契約事業との雇用関係と従属性なしで経済活動を展開する業者。 自営業者は休暇手当、第13ヶ月給料、FGTS、その他の権利がないため、一般従業員同様の管理・監督をすると従属性があるとされ雇用契約とみなされるので、注意が必要です。 6. 研修生契約 研修生契約は雇用契約ではなく、厳密に言うと研修生にとって職業見習いの機会です。 研修生は退職金、第13ヶ月給料、有給休暇、FGTSはないが、見習中の障害保険、通勤補助、出来得る限り学校の休暇の時期に一時的停止及び学資補助の対象とすることは可能。 上記の中で企業が最も多く採用するのは無期限契約です。
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08.外国人労働者雇用についての注意事項

今回のニュースレターでは、ブラジル企業において外国人を雇用する際の主要な注意点について皆さんと共有していきます。 この雇用プロセスは、外資系複合企業の子会社でよく見られるものであり、現地法人設立初期、または経営基盤が既に確立されている企業を問わずに、子会社の経営を任せるため親会社が駐在員を現地へ派遣したり、オペレーション業務やアドミン業務を勤めるために従業員を派遣する場合をさします。 1. ブラジル現地勤務目的で会社は外国人労働者を雇用することは可能でしょうか。 可能です。駐在員の雇用形態は主に次の2つが挙げられます。 1)管理職、取締役、マネージャー(Pro-Labore)など、会社の経営管理を担うために駐在員を派遣する形態。この場合、この方はビジネス運営の責任者となり、また会社の代表者として署名をします。 2)通常の雇用契約による雇用形態。この場合、駐在員は上記のような管理職ではなく、ブラジル現地法人の従業員(CLT)となります。 2. この2つの駐在員の雇用形態(管理職 or 従業員)には違いがありますか。 はい。それぞれに適用する異なった規制があります。 3. 外国人労働者の雇用にはどのような手続きが必要ですか。 まず、現地受け入れ企業は、就労許可をブラジル労働省と入国管理局総合調整課(Coordination of Immigration Department)へ申請し、当該外国人労働者は、外務省へ就労ビザの申請する必要があります。 また、従業員としてブラジルへ働きに来る外国人労働者は、労働契約書のほか、RNM(国家移住登録証:Registro Nacional Migratório)、CPF(納税者番号)、労働手帳を取得する必要があります。 4. 外国人労働者の権利と義務についてはどのようなものがありますか。 ブラジル人労働者へ法律で保障されているものと同様の権利と義務が適応されます。 5. 法律で保証されている労働者の権利とはどのようなものが挙げられますか? 労働者には次のような権利があります。 13ヶ月特別給与年次有給休暇勤続年数保証基金週休手当所定労働時間その他、食事手当、ボーナス、健康保険などの手当てを会社が提供する場合。 6. 外国人労働者の給与をブラジル人労働者よりも低く給与設定するのは可能ですか? 給与差別があってはなりません。同じ職務を担う場合、給与の平等性の原則を守らなければなりません。 7. 外国人労働者を雇用する際に会社が特に注意するべき事はありますか? 労働者の3分の2以上がブラジル人ではなくてはならないという決まりがあります。つまり、外国人労働者1人に対し、ブラジル人労働者を2人を雇わなければならりません。この比率は給与計算表にも反映されなければなりません。 ブラジル行政府の取り決めによる特殊な事情の場合や、労働省が許可した専門技術者で国内マーケットで不足している労働者の場合、この3分の2の原則が適応されなかったり、これよりも少ない比率が設定されることがあります。 8. 管理職に就任する外国人労働者の場合、どのような規定がありますか? 管理職に就任す外国人労働者の場合、会社は3分の2の原則から除外されますが、次のようなその他の条件に従うことが義務付けられております。 ・外国法人からの60万レアル相当額以上の投資。又は、 ・投資後2年以内に10人以上のブラジル人従業員の雇用計画がある場合には、15万レアル相当額以上の投資。 [...]
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07.社会保障に関する国際協定 – 一時的に派遣

一時的に派遣:これは非決定的な移動であり、労働者は  別の国に移動し、出身国の国民年金の加入を継続します。 この一時派遣証明書は、相互に国際社会保障協定を結んでいる国でのみ許可されています(以前送信されたBusiness in Brazil#06-2022で国際協定の詳細をご覧ください)。 一時的派遣証明書の目的は出発国と目的地の国で社会保障費の二重負担いがないことです。 したがって、社会保障費は一度だけ、つまり労働者の出身国で支払われます。 一時派遣証明書は、最長5年間有効で発行でき、さらに3年間更新できます。 実務的には、この証明書を持っている駐在員は、給与明細からINSSを源泉徴収されることはありません。このINSSの免税は会社負担分及び個人負担分、双方に適用され、ブラジルで  従業員として登録されている駐在員と会社で管理職に就いている方(Pro Labore)の両方に有効です。 比較例: サービス会社で月給がR$15,000.00の従業員、「ケース A」はブラジル人労働者、「ケースB」は  一時派遣証明書を持っている駐在員。 ケース A ブラジル人 INSSの給与源泉徴収税額:R$ 828,38 INSS会社負担分(20%):R$ 3,000.00 第三者によるINSS(5,8%):R$ 870,00 調整済みINSSFP(2%):R$ 300,00 会社の合計費用はR$4,170.00です。 ケース B 一時派遣証明書を持っている駐在員 給与に対するINSS源泉徴収税額:R$ 0,00 INSS会社負担分(20%):R$ 0,00 第三者によるINSS(5.8%):R$ 0,00 調整済みINSSFP(2%):R$ 0,00 会社の合計費用はR$0,00です。 上記はすべてINSS(社会保障)に関する免除のみで、休暇、13ヶ月給与、勤続年限保証基金(FGTS)、退職金など、駐在員(CLT従業員の場合)に対する他のすべての労働権は義務としてありますので、ご注意ください。 現在、ブラジルは日本を含むいくつかの国と国際社会保障協定を締結しています。
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06.社会保障に関する国際協定

国際社会保障協定の主な目的はブラジルに居住する駐在員、または輸送中の労働者の状況を規制し、両国の法律でそれぞれの労働者に規定されている社会保障の権利を保証することです。 したがって、ブラジルと国際協定を結んでいる国から移住した労働者が社会保障に貢献し始めた場合、出身国だけでなく、ブラジルでも社会保障給付を引き続き享受することができます。 退職を申請する場合、出身国での拠出期間をブラジルの拠出期間と加算して、国家社会保障院(INSS)退職給付を形成することができます。 ブラジルが提供しているほとんどの国際協定は、定年退職、恩給、および就業不能退職の補償を規定しています。一部の協定では、拠出期間、出産手当、疾病手当が規定されています。 例: 愛子様 - 日本人 62歳 愛子様はブラジルに5年間住んでおり、その間INSSに貢献しています。 愛子様は日本の年金制度に10年貢献しました。 ブラジルと日本の間の貢献期間の合計が15年であるため、ブラジルでは年齢別に退職を申請することができます。ブラジルでの必要とされる加入期間の要件を満たしました。 上記の例では、INSSでブラジルの給付金を付与するために使用される期間を使用しても、愛子様は日本で退職を要求することも可能です。したがって、愛子様は2つの年金を持つことができ、各国(ブラジルと日本)に移転された拠出期間に比例した値になります。 国際協定を利用する場合、給付金を請求するには拠出期間のみが使用できます。(拠出額は使用できません) つまり、出身国からの拠出期間をINSSでの拠出期間に加算する場合、拠出額は計算されず、拠出期間のみが計算されます。 中国のように国際協定を結んでいない国の場合、ブラジルの年金はブラジルでの拠出時間のみで形成され、可能であれば出身国で第二の年金も累積されます。ただし、貢献時間を追加することはできません。
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05.所得税-ブラジルの居住者納税者

ブラジルでのビジネス情報Nº03では、駐在員が税務上の目的でブラジルで納税者になるシナリオを共有しました。 この版では、国内に居住する駐在員による所得に対する所得税の課税について公開します。 国内の税務上の居住者であるすべての個人は、すべての所得に対して所得税の支払い対象となります。ここで言及されている収入は、ブラジルだけでなく世界中で発生された収入に限定されていません。 これらの所得は、以下の表に従って、Carnê leãoと呼ばれる毎月の所得税の対象となります。 月次計算ベース (BRL)税率 (%)所得税から控除される金額 (BRL)1,903.98 以下免税0.001,903.99 - 2,826.657.5142.802,826.66 - 3,751.0515354.803,751.06 - 4,664.6822.5636.134,664.69以上27.5869.36 例: ブラジルに居住する日本人駐在員は、親会社からBRL20,000.00(すでにリアルに換算済み)の給与を受け取り、日本の銀行口座と現地子会社が保有するブラジルの銀行口座に直接支払われました。 ブラジルで受け取った給与については、駐在員が上記の表に従って所得税を支払うことは間違いありませんが、この金額に加えて、日本で受け取った給与に対しての所得税も支払う必要があります。 BRL4,630.64(BRL20,000.00 X 27.5%-BRL869.36)の所得税です。 主なご質問 1. 海外で発生し、ブラジルに持ち込まれた収入のみが、Carnê leãoによって課税されますか? ⇒いいえ。資金がブラジルに送金されるかどうかに関係なく、所得は課税対象となります。 2.世界所得税(Carnê leão)は、海外で受け取った所得の総額(グロス)または純額(ネット)に課税されますか? ⇒税金は総額(グロス)に課税されます。 3.海外で受け取った金額は、個人の年次所得税申告書に報告する必要がありますか? ⇒はい。世界中で受け取ったすべての所得と支払ったすべての税金を申告する必要があり、毎年の所得税調整の対象となります。 4. ブラジルは二重課税を回避するために他の国と協定を結んでいますか? ⇒はい、様々な国の中で日本もその一つです。 5. ブラジルが二重課税を回避することに合意している国で支払われる所得税は、現地で相殺できますか? ⇒はい。ただし、そのような税金は、出身国での補償または払い戻しの対象ではありません。 6. 日本人駐在員は、日本にいる親会社から直接所得が支払われる場合、母国での所得税の支払いをやめますか? [...]
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