ブラジルでの会社設立プロセスが大きく変わったことをご存知ですか? テクニカルノート181号(2025年) により、会社設立の考え方が抜本的に変更され、現在では CNPJ(法人番号)を取得する前に税制度を決定する必要がある のです。これまでの流れと、REDESIMの新しいATモジュールによってどのように変わったのかをご説明します。
これまでの流れ
以前は、会社設立の手続きは段階的に進められ、税制度の選択は最後のステップでした。主な流れは次のとおりです:
- 定款の作成、または個人事業主申請書の作成。
- 商業登記所または公証役場での登録。
- 連邦歳入庁でのCNPJ(法人番号)の取得。
- 市または州での事業登録。
- その後、事業者は最後の登録日から30日以内(CNPJ取得から最大60日以内)に、Simples Nacionalのような税制度を選択できました。
このプロセスでは、ある程度ビジネスの基盤を整えた上で、会計士と相談しながら最適な税制度を慎重に選ぶことができました。
REDESIMの新しいATモジュールでの変更点
しかし、今では状況が大きく変わりました!連邦歳入庁によると、新しいプロセスはより自動化・標準化されています。REDESIMのATモジュールによる新しい流れは次のとおりです:
- 定款、または申請書の作成。
- ATモジュールを通じて直接申請し、CNPJの申請および他機関への登録が一本化される。
- この段階で、必ず選択した税制度を申告する必要がある。
- 税制度が確定した後でなければ、システムはCNPJ番号を発行しません。
つまり:税制度を選ばなければ、CNPJを取得できない、ということです。
実務上の影響と、これがあなたにとって何を意味するか
この変更は、実務に大きな影響を与えます:
- これまでは、会計士が事業計画や収益の見込みを分析し、適切な税制度を提案するまでに余裕がありました。
- しかし今では、手続きの初期段階で税制度を決める必要があるため、次の対応が求められます:
- 事前の税務診断。
- 迅速かつ戦略的な判断。
- システム連携と情報送信のスピードアップ。
会計士による専門的なサポートは、CNPJ取得後ではなく、会社設立の計画段階から不可欠となっています。税制度は年に一度しか変更できない 点に注意が必要です。
新しく会社を設立しようとお考えの方は、「早めの準備」が鍵となります!将来のビジネス計画をしっかり立て、最適な税制度を選びましょう。当事務所では、税務診断から会社設立までトータルサポートいたしますので、ぜひご相談ください。